赤金鉱(Akaganeite)


Nantan meteorite, Nandan Co., Guangxi Zhuang Autonomous Region, China
Fe8(OH,O,Cl)17
画像幅 5mm

写真中の赤褐色の球体が赤金鉱である。

赤金鉱は、1962年に岩手県にある赤金鉱山から発見された鉱物である。はじめは水酸化鉄の組成を持つ針鉄鉱(Goethite)及び鱗鉄鉱(Lepidocrocite)の多形であると考えられていたが、その後の研究で塩素が構成元素として必須であり、正方晶系とされていた結晶系も、現在では単斜晶系とされている。

赤金鉱山での赤金鉱は、磁硫鉄鉱(Pyrrhotite)に伴って発見されており、磁硫鉄鉱が分解した緑礬(Melanterite)などの硫酸塩鉱物が酸化される際に、塩素が供給されて生成したものと考えられている。地表の環境では赤金鉱は、針鉄鉱と加水赤鉄鉱に分解してしまうので、赤金鉱は準安定鉱物と推定されている。

赤金鉱の発見直後から世界中で発見報告があるが、この標本のように隕石の表面が酸化されたものに含まれるものも多い。現在では5つの隕石から発見報告がある。また、月からも発見されているが、それは組成が「FeOCl」に近く、これは酸化鉱物ではなくハロゲン化鉱物に分類されるはずである。現在、この「赤金鉱」は原記載を尊重して酸化鉱物に分類されているが、将来別種と分類される可能性もある。

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