アエンデ隕石(Allende meteorite)


Pueblito de Allende, Chihuahua, Mexico
標本幅 21mm

アエンデ隕石は、非常に有名な炭素質コンドライト隕石である。

1969年2月8日、メキシコのAllende村近くに、大気中で爆発した隕石が雨となって、12×50kmの範囲に落下した。落下した隕石の総重量は5トンと見積もられ、そのうちの3トンが発見された。

アエンデ隕石は、様々な情報を含んでいることで学術的に重要な隕石である。そのため、最も研究された隕石である。
まず、アエンデ隕石は、CAIという、カルシウムとアルミニウムに富んだ含有物がある。これは、長石、スピネル、灰チタン石を主成分としている。CAIは、45億6470万年前(±60万年)に固化した、太陽系最古の物質である。
また、アエンデ隕石の組成は、地球の平均組成と似ている。CAIが固化した年代では、地球はまだ出来ておらず、チリの円盤であったため、アエンデ隕石は、惑星にならなかった微惑星の一部分であると思われる。
さらに、アエンデ隕石には、炭化珪素の組成を持つモアッサン石(Moissanite)が含まれている。これは鉱物的にも珍しいが、超新星爆発で吹き飛ばされた粒子と判明している、かなり特殊なものである。
そして、アエンデ隕石には、重量で5%程度の水と、アミノ酸が含まれることが分かっている。

アエンデ隕石からは、全部で8種類の新鉱物を含む、多数の特殊な鉱物が発見されている。このうち、2007年に発見された、特殊な構造のスカンジウムとジルコニウムの酸化鉱物には、アエンデ隕石にちなんで「アエンデ石(Allendeite)」の名前がつけられている。

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