自然砒(Arsenic)


福井県足羽郡美山町赤谷鉱山
As
標本幅 16mm

有名な赤谷鉱山の金平糖石の一部分である。完全な丸いものでないのが残念である。結晶の角が出ている集合の様子がちょうど金平糖に見えることから名づけられた。もちろん菓子の金平糖とは程遠く、甘いどころか猛毒である。自然砒は肉眼的結晶をすること自体が稀なので、海外でも有名である。
自然砒は新鮮な表面は金属光沢を呈するが、表面がすぐに酸化してしまうので、普通は黒色のものしか見かけない。さらに分解が進むと表面に白色の方砒素華(Arsenolite)やクロード石(Claudetite)が生ずる。これらの鉱物は亜砒酸であり、水溶性の猛毒であるので注意。

砒素の毒性はかなり古代から知られており、またその特徴も知られていたようである。古代中国の文献で、遺体を火葬した骨に紫色の斑点が見られたことから砒素による暗殺を示唆するという内容がある。
日本では殺鼠剤としての「石見銀山ねずみ捕り」が有名だが、実際は石見銀山では砒素鉱石は産出しなかった。実際は近くの笹ヶ谷で産出したのだが、いわばブランド名として石見銀山の名を使用したのである。
悪い意味で知名度の高い砒素であるが、農薬、木材防腐には砒素化合物が欠かせず、難病治療薬にも砒素化合物が使われている。また砒化ガリウムは半導体として重要である。

言及されることが少ないが、自然砒は持ってみると結構重く感じる。重い鉱物の代名詞的存在である重晶石は比重4.5だが、自然砒はそれを上回る5.7である。

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