ベニト石(Benitoite)


Dallas Gem Mine, Dallas Gem Mine area, San Benito River headwaters area, New Idria District, Diablo Range, San Benito Co., California, U.S.A.(原産地)
BaTi(Si3O9)
結晶長さ 9mm

写真中の青い結晶がベニト石である。

ベニト石は原産地のサンベニトに因み名づけられた鉱物で、1907年に発見されている。人工物は1830年に合成されており、人工物の性質が天然のベニト石の独立種として登録する際の参考にされた。発見時は青い色の結晶鉱物なのでサファイアかスピネルの一種と考えられた。現在でも青い色の原因は不明である。チタンが還元されたもの、不純物のバナジウム・銅・ニオブによるもの、同じく不純物でも鉄によるものやジルコニウムによるもの、鉄の酸化によるもの、金属元素間での電荷移動など、様々な説が唱えられては否定されている。

ベニト石の組成はバリウムとチタンという稀な元素であり、サイクロ珪酸塩鉱物でもSiO3が3個つながっているという最小の環で構成されたものである。

原産地の標本が質・量ともに優れているため標本やカット石の両方で出回っているが、2005年に閉山してしまった。元々希産だったが、閉山により新たな流入が途絶えたために値段が高騰している。

大抵のベニト石はソーダ沸石(Natrolite)の上にあるように見えるが、実際にはソーダ沸石に埋もれているものを塩酸で溶かして浮き上がらせたものである。ソーダ沸石は溶かすとゲルになって反応を阻害するため処理はなかなか大変である。ソーダ沸石は海王石(Neptunite)や、同じくこの産地で発見されたジョアキン石(Joaquinite-(Ce))が含まれている。

ベニト石は硬度6と宝石としては柔らかく、また劈開がないためカットがしやすい。加えて複屈折性が強く、ダイヤモンドに匹敵する散乱を持つため、宝石としては人気がある。しかしダイヤモンドと比べて希産であり、最大のカット石でも約34カラットと極めて小さなものしか見つからない。2005年に閉山されるまでに産出した宝石質のベニト石の総量は5000カラット程度であると考えられている。ただし閉山前の2000年には既に鉱脈が途絶え、その後の産出はズリなどを洗いなおして発見されたものであり、商業的な量は望めないかもしれないが、産地にはまだまだ結晶が残っている可能性がある。

大抵のベニト石は短波紫外線で青色に蛍光する。サンベニト以外の標本では新潟県の青海で発見されたものが有名であるが、大抵は肉眼で見えるか見えないかの結晶である。しかしこれらも蛍光を確かめれば似たような別の鉱物と区別が付く。長波紫外線で赤からオレンジ色に蛍光するものもある。

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