ブラッグ鉱(Braggite)


Rustenburg Mine, Rustenburg District, Western Bushveld Complex, Northwest Province, South Africa
(Pt0.62,Pd0.24,Ni0.08)Σ0.94S1.04
標本幅 0.1mm

写真中の黒い点がブラッグ鉱である。「ブラグ鉱」とも言う。
ここまで小さいと、なくさないようにするのも、撮影するのも大変である。

白金は天然では単体で存在し、化合物は砒白金鉱(Sperrylite)が稀に存在する程度である。ブラッグ鉱は、数少ない白金化合物の鉱物の1つで、硫化白金の組成を持つ。発見は意外と早く、1930年に発見されている。

ブラッグ鉱は、ブッシュフェルト複合岩体という、白金を多く含む岩石中に、非常に微細な粒として産出し、当然ながら肉眼鑑定は不可能である。クーパー鉱(Braggite)と同じ正方晶系だが、ブラッグ鉱はパラジウム、ニッケルが必須成分である違いがある。ブラッグ鉱の理想式はPt5Pd2NiS8と与えられることもある。Sを8にあわせると、この標本は Pt4.77Pd1.85Ni0.62S8.00という組成式になり、概ね合致する。

この標本は分析されており、分析値は下記の通り。パラジウムとニッケルを含む典型的なブラッグ鉱であるが、少々硫黄が過剰である。

元素 割合(原子比)
白金(Pt) 31%
パラジウム(Pd) 12%
ニッケル(Ni) 04%
硫黄(S) 052%

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