カロメル(Calomel)


Mariposa Mine, Terlingua, Brewster Co., Texas, U.S.A.
Hg2Cl2
画像幅 5mm

白い方解石に付着している茶色の部分がカロメルである。「甘汞(かんこう)」、「角水銀鉱」とも呼ばれている。
塩化第一水銀の組成を持つ。水銀と塩素の割合は1:1だが、水銀原子同士が共有結合をしているため、上記のような表記となっている。
紫外線を当てると蛍光し、短波ではレンガ色、長波では赤色を発する。蛍光色で見れば、母岩の方解石と見分けにくい部分も見え、思ったより多く付着していることが分かる。

「甘汞」という別名があるとおり、味は甘い。しかし水銀化合物だけあり、毒性がある。水に溶けにくく、見かけの毒性は弱いが、舐めないほうが懸命である。
感光性があり、光に当たると塩化第二水銀と金属水銀に分解する。この状態のほうがもっと毒性が強い。アンモニア水と反応すると黒くなる。
カロメルはかつては下剤などに利用された。現在では「カロメル電極」としての用途がある。電位が安定しているので、標準電極として使える。しかし、水銀が含まれていることから、近年では使われなくなっている傾向にある。

長波赤外線でのカロメル

塩化第一水銀分子

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