千葉石(Chibaite)


千葉県南房総市荒川(原産地)
SiO2・n(CH4・C2H6・C3H8・C4H10) (n≦3/17)
標本幅 12mm

写真中の結晶が千葉石である。この産地で2009年に発見された非常に珍しい鉱物である。

千葉石の基本組成は石英などと同じく二酸化珪素である。ただし結晶格子の内部にメタン、エタン、プロパン、イソブタンを含む包接化合物のため、結晶構造が変化し等軸晶系となっている。千葉石は気体分子を含む非常に珍しいガスハイドレート鉱物であり、1876年に発見されたメラノフロジャイト(Melanophlogite)以来実に133年ぶりの発見である。千葉石は水分子で構成されるメタンハイドレートのII型に相当する構造を持ち、メラノフロジャイトはI型である。なおメタンハイドレートにはH型が存在するが、こちらは未発見である。ただし、千葉石の結晶中に未知の結晶構造があり、これが新種のH型ではないかと考えられている。ただし非常に微細であるため、まだ鉱物種としては確定していない。

千葉石の発見は、化石学者が間接的に関わっている。荒川はメタンを代謝する事で有名なシロウリガイの化石が産出することで有名であるが、この化石の発掘中に変わった結晶が発見されたことがきっかけである。分析によりこれは石英である事が判明したが、結晶の形は自形結晶ではなく何らかの仮晶を示していた。その後透明の結晶が発見され、当初は石英の他形であるクリストバル石(Cristobalite)か、日本では未発見のメラノフロジャイトであると疑われていたが、詳細な分析の結果未知の鉱物種であることが判明した。千葉石に含まれるメタンなどの分子は、シロウリガイの化石と共に産出することから、火山活動に由来する冷水湧出帯で発生した分子であると考えられているが、千葉石には硫黄分がないため、火山由来のメタンではなく、メタン菌による代謝で発生したメタンではないかという説もある。

千葉石の名は千葉県に由来し、都道府県の名称に因む鉱物では6番目である。今のところこの場所以外では発見されていない。

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