コース石(Coesite)


Case Parigi, Martiniani Po, Dara Maira Massif, Piedmont, Italy
SiO2
画像幅 23mm

写真中の淡い紫色の苦礬柘榴石(Pyrope)にインクルージョンしているのがコース石である。黒い粒はエレンバーガー石(Ellenbergerite)である。

二酸化珪素の鉱物は石英以外にもいくつかの結晶系があり、そのひとつがコース石である。コーサイトとも呼ばれている。
コース石は、500〜800℃の適度な高温と、3.5ギガパスカルという超高圧の元で合成される。そのため、この鉱物は、隕石が地表に落下することことによって生じる瞬間的高圧や、大陸同士が衝突しあう場所のような高圧の場所で生成される。実際コース石は、1954年にアメリカのBarringerクレーターから初めて発見された。

この標本のコース石は後者のタイプのもので、コース石は淡い紫色の苦礬柘榴石の中に、数マイクロメートル程度の微細な結晶として含まれている。外側の石英の部分ももともとはコース石だった部分だが、コース石の結晶構造は地表のような低圧な環境では安定ではないため、圧力の低い場所では石英に変化してコース石の仮晶となってしまうのである。しかし、苦礬柘榴石に含まれているコース石は変化しにくく、常圧の元でもコース石の状態で保たれている。

コース石の名前は、この物質を最初に合成したアメリカの科学者Loring Coes, Jr.(1915〜)にちなんでいる。人工のコース石は1953年に初めて合成されたので、すでに名前は決まっていたのである。

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