ダイヤモンド(Diamond)


Miba Mine, Mbuji Mayi, Kasai-Oriental, Congo
C
一辺の長さ 3mm

言わずと知れた鉱物、ダイヤモンドの結晶標本。和名は金剛石。同質異像の例として、石墨(Graphite)と引き合いに出されることも多い。見かけも色も硬さも、同じ炭素から出来ているとは思えぬぐらいに異なる。

ダイヤモンドは高級宝石なので、標本市場には二級品以下しか回ってこない場合が多い。工業用に使われるようなダイヤモンドは標本市場でもよく見かけるが、黄色く不透明でぶつぶつしているので見かけはさえない。

この標本はおにぎりのような、やや厚みのある三角形をしている。普通のダイヤモンドは八面体結晶をするが、この標本はスピネル式双晶をしているのでこういう形になる。標本には条線も見える。スピネル式双晶のダイヤモンドを「マクル」と呼ぶこともある。平べったい形になるので、カラット(重さ)の割には大きく見え、透明度もなかなかいいので標本用には嬉しい。

ダイヤモンドはキンバレー岩という特殊な岩石の中に産する。ダイヤモンドの採掘はキンバレー岩を砕いた中から探すので、普通ダイヤモンドは衝撃で母岩から離れてしまう。したがって、母岩つきの標本というのは滅多に見られない。例え見かけても、接着品がかなり多い。なおブラジルには砂岩中にダイヤモンドが含まれている標本があるが、あれは元からついていたわけではなく、砂岩が固まる際に偶々くっついただけである。

ダイヤモンドは確認されている中では最も硬い物質である。しかし、よく勘違いされることだが、ここでいう「硬さ」は傷つきにくさであり、衝撃に対する強さではない。ダイヤモンドは頑丈なイメージがあるが、かなづちで叩けば粉々になってしまう。
最近の説では、炭素の同素体で天然にも産出するロンズーデライト(Lonsdaleite)が、ダイヤモンドより58%硬いことが理論的に示唆されている(天然のロンズーデライトの硬度は7〜8だが、これは不純物の影響と思われる)。また合成物では立方晶窒化炭素(cubic carbon nitride)(C3N4)もダイヤモンド以上の硬度を持つとされる。しかし、どちらも合成が難しく、実証が困難である。
現時点でダイヤモンドより硬い物質は、フラーレン粉末を原料に作った「ハイパーダイヤモンド(Aggregated diamond nanorod ADNR)」である。ダイヤモンドの倍の硬度を持つとされ、実際に天然ダイヤモンドに傷をつけることが出来ることが確認されている。
なお、化学的には強く、塩酸や硫酸などの薬品に反応せず、日光に長期間晒しても変化しない。

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