生野鉱(Ikunolite)


兵庫県養父市大屋町明延鉱山大仙坑
Bi4(S,Se)3
画像幅 8mm

ラベルが無ければ単なる金属片にしかならない鉱物が生野鉱である。
生野鉱は兵庫県生野鉱山で1959年に発見された鉱物である。ホセ鉱(Joseite)グループに属し、ビスマスと硫黄とセレンで構成される。硫黄とセレンの置換関係の見本のような鉱物で、硫黄がセレンより多いと生野鉱となり、セレンが硫黄より多いとライタカリ鉱(Laitakarite)となる。共出しやすい自然蒼鉛や輝蒼鉛鉱との区別は光沢の程度や僅かな色合いから肉眼での識別は可能だが、生野鉱とライタカリ鉱の肉眼的区別はほぼ不可能と思われる。
一方向に完全な劈開があり、鑑定の目安にはなる。

生野鉱山の歴史は非常に古く、平安時代の西暦807年から開坑していると言われている。昭和48年(1973年)に鉱石の質の悪化などを理由に閉山、1200年の歴史に幕を閉じた。坑道の総延長は350km以上とも言われている。

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