ネオジム弘三石(Kozoite-(Nd))


佐賀県肥前町満越
(Nd,La)(CO3)(OH)
球体幅 1mm

写真中の淡いピンク色の球体がネオジム弘三石である。

ネオジム弘三石は、1998年に滋賀県の新木場で発見された珍しい鉱物である。名称は長島弘三(1925〜1985)に因む。姓名のうち名が使われたのは、既に長島乙吉(1890〜1969)に因む長島石(Nagashimalite)に使われているためである。元々は弘三石と呼ばれていたが、2002年に同じく佐賀県の新木場でランタン置換体のランタン弘三石が発見されたため、このように呼ばれるようになった。なおネオジム弘三石の発見地である新木場は、ランタン弘三石の発見地である満越に近い産地であり、実質的に同一である。

ネオジム弘三石は球体として産出する場合が多い。これは針状結晶の集合である。なお外部と内部でネオジム弘三石とランタン弘三石の成分が明確に分かれており、一緒に産出する場合もある。ネオジム弘三石はノルウェーでも発見されており、スロバキアでもそれらしいものが発見されているが、ランタン弘三石は佐賀県の2ヶ所でしか発見されていない。いずれにしても、どちらも珍しい鉱物である。また、ネオジムの炭酸塩鉱物であるネオジムランタン石(Lanthanite-(Nd))の風化でも生成されるが、これは白っぽい微小な繊維状物質である。

ネオジム弘三石のピンク色は日光下に置けるもので、蛍光灯下では緑色となる。母岩のアルカリ玄武岩が緑色なので見分けが付きにくい。白い鉱物である木村石(Kimuraite-(Y))がよく一緒に産出する。

蛍光灯下でのネオジム弘三石

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