青金石(Lazurite)


Badakhshan,Afganistan
(Na,Ca)8(S,SO4,Cl2)Al6Si6O24
標本幅 23mm

青金石は、「ラピス・ラズリ」の名で親しまれている鉱物である。わざわざこのような名にしたのは、「ラピス・ラズリ」という名前が青金石や方ソーダ石(Sodalite)などの混合物名だからである。青金石の割合が多いほど、ラピス・ラズリの青色も濃くなる。
産地のBadakhshanは青金石の古典的な産地であるが、この標本はラピス・ラズリの中でもかなり色の濃い方である。また青金石は1890年に鉱物種として認められ、Badakhshan内のSae-e-Sang地方を青金石の原産地としているが、おそらくこれは古典的な産地という観点からであると思われる。
珪酸塩鉱物としては珍しく硫黄を含み、これが深い青色の発色原因でもある。塩酸に侵されてしまう性質は、珪酸塩鉱物には珍しい。
装飾品としてツタンカーメン王のマスクに使われ、顔料のウルトラマリンとしても6〜7世紀にはアフガニスタンで使われていたなど、人類との歩みがかなり長い鉱物である。

現在では合成品が使われているため、青金石のウルトラマリンとしての用途は殆ど無い。2008年に日本の東京芸術大学とホルベイン工業の産学協同研究の成果として、天然ウルトラマリンの水彩絵の具4.2gを200個限定で50400円で販売したことがある。1gあたり12000円と、金より何倍も高価である。

合成品は1814年に石灰を焼くかまどから発見され、製法は1828年にクリスティアン・グメリンが開発した。製法自体はその2年前にジャン=バプティステ・ギメが見出していたが、ギメは製法を公表しなかったため、グリメンが合成品の創作者とされている。その製法だが、鉄を含まないカオリナイト(Kaolinite)、無水硫酸ナトリウム、無水炭酸ナトリウム、粉末硫黄、粉末活性炭を混合して融解させるという、どうやったら思いつくのかという製法である。
合成品では色合いを変化させるため、ナトリウムの部分をリチウムやカリウムで置き換えたものがある。また、硫黄をセレンやテルルで置き換えたものも合成されている。

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