桃井柘榴石(Momoiite)


福井県三方上下郡若狭町藤井鉱山
(Mn2+,Ca)3V3+2(SiO4)3
画像幅 10mm

写真中の緑色の部分が桃井柘榴石である。「桃井石」と呼ばれる他、「大和石(Yamatoite)」という別名もある。柘榴石グループの珍しい鉱物である。

ピンク色のマンガン鉱石中に産出する。2010年の日本産新鉱物であり、日本の4ヶ所の産地以外では見つかっていない。見つかっているのは原産地の愛媛県鞍瀬鉱山、福井県藤井鉱山、京都府法華寺野、岩手県田野畑鉱山である。

灰バナジン柘榴石(Goldmanite)のカルシウムをマンガンに置換した組成をもち、実際、桃井柘榴石と灰バナジン柘榴石が連続して産出することもある。そのため、肉眼的鑑定は難しい。

名前は愛媛大学の桃井斉(1930〜2002)に因む。1963年に、桃井氏が鹿児島県大和鉱山から発見した柘榴石グループの新鉱物を、わずか一週間の差で命名権を逃した経緯がある。それこそ、この鉱物と関連がある灰バナジン柘榴石であり、大和石という別名は元々命名する予定であった名前である。この鉱物も元々は大和石とする予定であったが、この歴史を踏まえて、あえて桃井氏の名前を採用した経緯がある。

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