モーツァルト石(Mozartite)


Jalgaon District, Maharashtra, India
CaMn3+(SiO4)(OH)
画像幅 10mm

写真中央部の赤褐色部分がモーツァルト石である。

モーツァルト石の名は、音楽家として有名なヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756〜1791)にちなんでいる。人名に由来する鉱物名の場合、鉱物学者や岩石学者のような、何らかの地学分野で功績を収めたものが付けられるのが半ば習慣であり、音楽家が付けられるのは異例である。モーツァルト石が発見されたのは1991年であり、これは没後200周年にあたるが、モーツァルト石はそれが理由として名づけられたのも異例である。また、発見場所は生誕の地であるオーストリアではなくイタリアである。しかし、モーツァルトの代表作であるオペラの『魔笛』は、錬金術や化学者が多いフリーメイソンに深い関わりがあり、登場人物にも地質学者をモデルとした人物が出るため、鉱物学的解釈が欠かせないとされる。また、モーツァルトの生きていた時代の国名は神聖ローマ帝国であり、神聖ローマ帝国の領土はイタリア北部を含んでいる。そのため、かなりこじつけであるが、モーツァルト石の名は承認されている。なお、文豪で有名なヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ(1749〜1832)の名がゲーテ鉱、即ち針鉄鉱に使われている前例はあるが、ゲーテの場合自分自身が鉱物学者として研究していたため問題はない

モーツァルト石は非常に希産な鉱物であり、ゲーテ鉱とは異なりめったにお目にかかれない。良く出回っているのは上記のインド産の標本であり、直方体のような形となった弗素魚眼石(Apophyllite-(KF))の中に含まれている。ただし、この産地のモーツァルト石は実は別の鉱物であってモーツァルト石ではないという意見もある。ではモーツァルト石でなければなんであるのかは、調べた限りではわからなかった。

モーツァルト石はバグナ石(Vuagnatite)のアルミニウムをマンガンで置換した組成である。赤色はマンガンの特徴的な発色である。

なお、モーツァルト石は日本でも発見されている。愛媛県大洲市の上須戒鉱山であり、発見は原産地についで2番目の1992年である。

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