大隅石(Osumilite-(Fe))


岐阜県飛騨市川合町月ヶ瀬林道
(K,Na)[]2(Fe,Mg)2(Al,Fe)3(Si10Al2)O10
結晶直径 2mm

1956年に鹿児島県咲花平で発見された新鉱物。名前は産地の大隅半島に因む。現在では世界中で発見されている。厳密には「鉄大隅石」という名前で、普通大隅石と言えばこの鉄大隅石のことを指す。
主に流紋岩やデイサイト中に、黒色から濃青色六角短柱結晶で産する。発見当初は菫青石と間違われていたくらいだから、色や形は菫青石に似ている。
組成式中の珪素とアルミニウムの欄では、互いの数は一定ではなく少し変化する。珪素原子とアルミニウム原子の合計は12個になる。
鉄の一部をマグネシウムが置換しており、マグネシウムが卓越すれば苦土大隅石(Osumilite-(Mg))となる。実は月ヶ瀬の大隅石は苦土大隅石であるというデータもあるが、肉眼的には全く区別がつかない。大隅石と苦土大隅石が累帯を成していることもある。

大隅石はミラー石-大隅石グループの鉱物で、このグループには21種類の鉱物が含まれる。ペグマタイトなどに産するミラー石(Milarite)、美しい紫色で有名な杉石(Sugilite)、鉄隕石から発見された新鉱物の八木石(Yagiite)などが含まれる。一般的な化学組成は「X3Y2Z3Si12O30」である。ただし、サイトの数値の分だけ原子がぴったり入らず、構造に空席が出来ることもしばしばである。

蛇足だが、情報元によって大隅石の組成式に1つ結晶水があるものとないものがある。ミラー石グループの鉱物の間でも事情は同じである。どちらが正しいのが迷ったが、ここでは無水とすることにした。

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