自然パラジウム(Palladium)


Itabira, Iron Quadrangle, Minas Gerais, Brazil
Pd
画像幅 5mm

写真中の銀色の粒が自然パラジウムである。
自然パラジウムは、パラジウムを数パーセント含む自然金から、風化によって溶質したものが濃集して形成されたと考えられている。大抵20%ほどの白金を含んでいる。

パラジウムは「白金族元素」というグループの元素の1つで、どれも酸や塩基に侵されにくい性質を持つ。しかし、パラジウムは他の白金族元素と比べると、若干反応性に富む。
パラジウムの最も有名な使用現場は歯科で、歯の詰め物に使われている。また、自身の900倍の水素を吸着する性質から、燃料電池の水素貯蔵材としての研究も進められている。

なお、Itabiraの自然パラジウムには、表面にPdOの組成を持つ単酸化物、内部にPd4Oの組成を持つ超酸化物が存在することが最近分かってきている。これらの物質はまだ鉱物種としては認められていないが、もし超酸化物が鉱物種となれば、氷や赤銅鉱(Cuprite)を上回って、酸化鉱物の欄の最初の座に着くことになる。

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