亜砒藍鉄鉱(Parasymplesite)


大分県南海部郡宇目町木浦鉱山前山坑(原産地)
Fe3+3(AsO4)2・8H2O
画像幅 6mm

黒い結晶で一部が放射状に見えるのが亜砒藍鉄鉱である。亜砒藍鉄鉱は「パラ砒藍鉄鉱」、あるいは英名そのまま「パラシンプレサイト」という呼ばれ方もする。亜砒藍鉄鉱の模式標本のラベルは「パラ砒藍鉄鉱」となっている。
周りの透明感のある淡緑〜黒色の結晶はスコロド石(Scorodite)である。
亜砒藍鉄鉱は木浦鉱山で1954年に発見され、当初は藍鉄鉱(Vivianite)とされた。実際、亜砒藍鉄鉱は藍鉄鉱の燐酸基を砒酸基に置き換えた鉱物である。同質異像の砒藍鉄鉱(Symplesite)はドイツで1837年に発見されている。日本で砒酸塩鉱物は案外少ない。
見かけは藍鉄鉱と似ており、放射状集合結晶となる場合が多い。性質もよく似ており、新鮮なうちは淡緑色のガラス光沢の結晶だが、すぐに変色して黒色となり、透明度も低下する。最近は良品が少ない。

この標本は購入品で、2003年4月11日の採集品。

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