イッテルビウムサマルスキー石(Samarskite-(Yb))


Little Pasty Pegmatit, South Plotte, Jefferson Co., Colorado, U.S.A.(原産地)
(Yb,REE,Y,U,Th,Ca,Fe3+,Sc)2(Nb,Ta)2O8
標本幅 6mm

写真中の黒い光沢のある部分がイッテルビウムサマルスキー石である。他の黒い部分は鉄コルンブ石(Columbite-(Fe))である。この産地で2004年に発見された珍しい鉱物である。

サマルスキー石(Samarskite-(Y))のイッテルビウム置換体に相当する。サマルスキー石は鉄コルンブ石と相性がよく、よく供出するが、イッテルビウムサマルスキー石も事情は同じらしい。

イッテルビウム以外にもエルビウム、ルテチウム、ツリウム、スカンジウムなど、希土類元素の中でも珍しい元素を多く含んでいる。化学組成の「REE」は、イッテルビウム以外のランタノイドを示している。

イッテルビウムはガラスの着色剤や、YAGレーザーの添加物として用いられている。イッテルビウムの名は、イッテルビウムが発見されたYtterbyにちなむが、Ytterbyを語源とする元素は他にイットリウム、テルビウム、エルビウムがあり、非常に紛らわしい。イットリウムを含む銅酸化物が高温超伝導体として話題となったとき、イッテルビウムが含まれていると勘違いされ、イッテルビウムの在庫が一時空になりかけたことがある。

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