海泡石(Sepiolite)


Sepetci, Eskisehir, Turkey
Mg4Si6O13(OH)2・6H2O
右側標本幅 35mm

「石が水に浮き、木の葉が沈む」という言葉がある。ありえないことを指す言葉である。
しかし、水に沈む木の葉があるかは知らないが、水に浮く石というものは存在する。それが海泡石である。
含水マグネシウム珪酸塩で出来ている海泡石は比重が2.26あるので、普通なら水に沈む。しかし、繊維状の結晶が絡み合ってかなり隙間が多く、実際の比重は1以下になり、したがって水に浮く。したがってかなり軽く、持っている感じがしないくらいである。
多くの書物には「海水に浮く」という記述が多く、これが和名の由来にもなっている。しかし、実際は普通の水道水でも浮く。海水の比重は1.02〜1.03と、真水との差が少ないからである。
ただし、水につけるときには気をつけるべきである。水につけると、隙間に水が入り繊維の隙間が膨張するため、ヒビが入って割れてしまう。実際、この標本も元々は1つであった。また、あまり繊維の絡み具合が弱いと、絡みが解けて水に「溶けて」しまう。

優れた断熱効果があり、これを利用したものがパイプである。18世紀から19世紀頃、オスマン帝国(現トルコ)領で採掘された海泡石を加工したパイプは上流階級の間で「パイプの女王」と呼ばれた。元々海泡石はそこまで数が多くないので、かなり高価である。
英名はコウイカの英名「Sepia」に因む。コウイカにある骨(退化した貝殻の名残である)が多孔質で軽く、海泡石に似ているからである。

この標本の産地は海泡石の一大産地であったが、現在では絶産状態であるという。

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