杉石(Sugilite)


愛媛県越智郡上島町岩城船越(原産地)
KCa2(Fe,Mn,Al)2Li3Si12O30
画像幅 21mm

写真中の鶯色の鉱物が杉石である。この産地で1974年に登録された日本新産鉱物である。名前は杉健一(1901〜1948)に因む。

大隅石(Osumilite)-ミラー石(Milarite)グループに属する鉱物である。1942年から1943年に採集され、はじめはユージアル石(Eudialyte)に似た鉱物とされた。その後岩城石(Iwakilite)と呼ばれながら大隅石グループの構造と同定されたが、ミラー石グループ特有のベリリウムに固執し、リチウムに気づかなかったことで組成の同定に遅れた。そのために登録が30年以上も先になったのである。実は1955年にインドで、1975年に南アフリカで杉石が発見されているが、そのときにはソグド石(Sogdianite)と誤解されていた。ひとつ間違えれば危うく日本新産鉱物の名を逃すところであったのである。

杉石と言えば、南アフリカ産のものが「スギライト」という名前でパワーストーンとしてかなり有名である。紫の鉱物は日本の鶯色の杉石と比べたら全くの別物にみえる。今でも「南アフリカで発見されて、日本人の『杉』という人物の名前がついた」という誤解があるくらいである。

この産地の杉石はエジリン閃長岩で、杉石は3〜8%も含まれている。この岩石からは片山石(Katayamalite)という、もう1つの鉱物も発見されていたが、後にバラトフ石(Baratovite)と同一とされた。

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