自然テルル(Tellurium)


静岡県下田市蓮台寺河津鉱山
Te
画像幅 6mm

画像の銀色の部分が自然テルルを含む部分である。上部には結晶の劈開面と思われる細長い光沢部分がある。
テルルは身近には聞かない元素名で、鉱物自体も希産だが、何故か鉱物界では良く知られている。テルル鉱物は非常に人気が高く、希産であるわりによく標本市場では出回る。六角柱状の水晶のような結晶をするが、極めて珍しく、できてもミリサイズである。テルルは金と相性がよく、自然テルルの中に微細な自然金を含むこともある。

テルル鉱物を多数産出したことで有名な河津鉱山だが、特に有名なのが自然テルルである。ここの産地では陶器質の石英の中に微細な粒で産し、石英はテルル石の微細なものにより黄色く染まっていることが特徴である。最近採集禁止になったが、禁止になる直前では、このようなレベルの自然テルルでさえ見つかりづらくなったという。

自然テルルは濃硫酸に浸すと溶け、溶液が赤色を示す。微量の自然テルルの鑑定に用いることが可能である。
テルルは電気と熱を変換する熱電変換素子としての用途と、ガラスの着色剤として一部使われる以外にあまり用途は無いが、先端工業には欠かせない存在となり、レアメタルの1つに数えられている。
硫黄、セレンと同属元素だが、金属的性質は一番強い。テルルは単体にも化合物にも毒性があり、経口摂取すると口の中が金属味がし、呼気や汗がニンニクに似た悪臭(テルル呼気)を帯びるようになる。

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