ビリオム石(Villiaumite)


Mont Saint-Hilaire, Rourille Co., Quebec, Canada
NaF
画像幅 15mm

ビリオム石は、フッ素ナトリウムという単純な組成だが、珍しい鉱物である。方ソーダ石(Sodalite)などと共出する。ナトリウムの割合が最も高い鉱物である(54.75%)。

岩塩の塩素をフッ素で入れ替えた組成であり、劈開の方向など性質も似ている。しかし、水には溶けにくい(岩塩の10分の1)など似ていない部分もある。水に溶けると、一部は加水分解してフッ素水素となるため、多少の毒性がある。岩塩と比べると塩素の代わりにフッ素が含まれているので原子自体は軽いものの、イオン半径が小さくその分原子が密に詰まるので比重は岩塩より重い。弱いが、短波紫外線で蛍光するという。

単純なフッ素ナトリウムならば無色のはずだが、天然物は深い赤に色づいている。これは天然放射能による結晶構造の僅かな不整による。色つき岩塩と同じ理由だが、色は遥かに濃い。300℃まで加熱すると不整が元に戻って無色になるという。
普通のビリオム石は色が濃すぎて不透明に見えるが、たまに透明感のある美しい赤色の結晶が産出する。このようなものはルースとしてカットされることもあるが、硬度が低く、弱いが水溶性である上に、岩塩のような完全な劈開のせいでカットすること自体が大変である。

出回っている標本はロシア産が多く、カナダ産が次ぐ。この標本はカナダ産だが、ロシア産と負けず劣らずの色合いである。

名前は発見者でフランス植民地軍の砲兵隊将校のシャルル・マクシム・ヴィヨーム(Charles Maxime Villiaume)に因む。本来の発音ならば「ヴィヨーム石」の方が正しいはずだが、日本ではフランス語の綴りをローマ字読みした誤った読みの方が定着してしまっている。

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