バナジン銅鉱(Volborthite)


愛知県犬山市継鹿尾木曽川
Cu3V2O7(OH)2・2H2O
画像幅 6mm

写真中に見える黄色味がかった緑色がバナジン銅鉱である。英名から「ボルボース石」「ボルボルス石」という和名もある。
バナジン銅鉱は、日本では超希産種の鉱物で、木曽川の僅か20m四方が産地と言われている。私がそこまで珍しい鉱物を手に入れているとは考えにくいでこれは誇張表現であろうが、希産であることは変わりがない。
木曽川のバナジン銅鉱はこの産地と岐阜県鵜沼のものがあるが、別産地ではなく、木曽川の両岸である。

赤色のチャートに挟まった真っ黒な瀝青炭に生じる。新鮮なものは針状結晶の放射状集合になっているものもあるが、風化すると黄色っぽい粉末になる。ブロシャン銅鉱(Brochantite)や自然銅を伴う。また非肉眼的であるがロスコー雲母(Roscoelite)やモンローズ石(Monteroseite)など、他のバナジウム鉱物を伴っている。
いずれにしても、木曽川の瀝青炭を含むチャート層はたかが数百メートルしかなく、発見は非常に困難である。理由は不明だが、赤色になったチャートに含まれる瀝青炭でのみ産出するようである。

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