2.「希元素」と「希土類元素」

ミネラルショーのような大規模な鉱物の展示即売会などにいくと、どんなものを専門に集めているのかをよく聞かれる。多分ブースの店員との話や吟味している標本から、綺麗な結晶標本などではなく、いわゆる「変なもの」を集めているような印象を与えているからであろう。
このとき私は「希産な鉱物や希元素が含まれている鉱物を集めています。」というのだが、「『希元素』というと、ランタンやセリウムのような『希土類元素』ということ?」とよく返される。多分8割の確率でそう言われていると思う。

日本では、希土類元素を含む国産の鉱物を専門に集めている人は多い。そして、心なしか、国産の鉱物には希土類元素以外の希元素(たとえばセレン、ガリウム、インジウムなど)を含む鉱物は極めて希産か、あっても種類が少ないように感じる。そのため、希土類元素の鉱物以外はあまりなじみがなく、「希元素=希土類元素」というイメージが確立されてしまっているのであろう。

私のような国産と外国産を特に区別なく集めている人にとっては、「希元素=希土類元素」という図式は必ずしも通用しない。というより、国産では少ない元素に目が向くため、希土類元素はむしろないがしろになりがちである。多分そんな偏食者は私だけだと思うのだが。ただ、「希元素」と「希土類元素」を混同していることに眉をひそめる人は、私以外にもいると思うのは、私の偏見だろうか。

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